家庭教師心得

例に漏れず大学生の時に家庭教師のアルバイトをした経験は、今でも自分より目下の人と接するときの指針となっている。
大学1年の秋頃から始め、大学院時代も含め結局5年半ほど続けた。
教えた生徒の数は10数名で、今でも連絡を取っている子もいる。

初めて教えた生徒はやはり一番思い出深く、家庭教師の記憶を探ると一番に顔が浮かぶのだが、彼は全くと言ってよいほど勉強ができなかった。
それは登録した家庭教師派遣会社の担当者もよくわかっているようで、本当に一から、いっしょに学んでいくような形で教えてほしいと言われていた。
私は一対一でのコミュニケーションは比較的うまいようで、すぐに打ち解けることができた。
マンガや部活、音楽の話など彼らの興味がありそうなことを話題に沢山の話をした。
初めの10分程度はあいさつと雑談で、生徒が勉強モードに入りたくないという気持ちをほぐす時間帯とした。
途中休憩も取り、実際の勉強時間は滞在時間1時間半の内1時間程度になるだろう。
家庭教師は、アルバイトとしては待遇面でとても恵まれていて、飲み物などを毎回提供してもらえるということもそうだが、自分の裁量で仕事ができるということが大きなポイントだろう。
飲食のアルバイトの忙しさやミスやスピード不足で先輩に怒られるという精神的に負担となるようなものが無いのが嬉しい。
実際に勉強を教える1時間をどれだけ楽しい時間にするかということに私は重きを置いていた。
楽しいとき、嬉しいときの脳は非常に活発に活動し、そのときに教えたこと、感じたこと、考えたことは強く記憶に残る。
だから、一緒に笑って、いわゆる授業とは違う、お互いたくさん話すようなものを提供した。

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